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使わない釣具など趣味の道具は整理しよう。生前整理とは
2019年02月25日 5:36
生前整理とは近年注目され始めた言葉です。年老いて体の自由が利かなくなる前に、あるいは突然死した場合に備えて自分の身辺のもろもろのことを整理しておくことを言います。
生前整理とは
この生前整理とは単純に持ち物を整理することだけを言うのではありません。
自分の財産を整理し、誰に何を相続させるかという遺言状を作成することや、葬儀の方法、終末期医療をどこまで望むかといったことや、保険関係などの各種契約に関することをエンディングノートにまとめることなども生前整理の一種であるといえます。
このように、生前整理を行っておくことで、いざというときに家族が悩んだり、争ったりすることが少なくなります。
特に財産関係の遺言状は必ず元気なうちに作成しておくことをお勧めします。この遺言状は自分で作成することも可能です。この場合すべての文章を自筆で書く必要があります。
パソコンなどを用いて作成したものは無効になるので注意が必要です。
遺言状を作成する際に一番確実な方法は、公証役場に赴いて公証人とともに遺言状を公正証書として作成する方法です。この方法では、遺言状を残したい本人の意向を公証役場の公証人が法的に有効な文言で公正証書に落とし込んでくれるます。
ですので、法的にも拘束力が強い遺言状を作成することができます。
遺された人が困らないために。遺言状とは
この遺言状とは、預金や有価証券、動産、不動産などの財産を誰にどのような形で残すかということを書き記すものです。
ですので、資産価値の大きい不動産などから、カメラや釣り道具、ゴルフ用品などのこまごまとした趣味の道具を誰に残すかということも記入しておくとよいでしょう。
この方法で生前整理を行うことも有効な手段ですが、いわゆる「断捨離」的な方法で、もう今後使う予定がないものを処分してしまうことも有効な生前整理の方法です。
不要なものを断つ断捨離とは
「断捨離」とは、「断行」、「捨行」、「離行」という3つのヨガの考え方を応用したものです。不要なものを断ち、捨てて、執着する心をなくすことが目的です。
明らかな不用品、例えばもう着ることがない服や、もう読まない本、それらを収納していた家具などは比較的簡単に断捨離により生前整理を行うことができるでしょう。
大切なのはその後です。
断捨離による生前整理を行うと住まいの収納スペースが余る状態になってしまうことも考えられます。そのような状態になると、また新しいものが欲しくなり、結果としてものが増え、元の木阿弥といった状態になってしまいます。
このようにまた物が増えてしまうと、生前整理をした意味がなくなってしまいます。
買い物を考えて行なおう
このような事態を避けるためには、新しいものを買う前に、「これは本当に必要なものなのか」ということをじっくりと考えてみましょう。そして、必要であると判断した場合には、新しいものを買う代わりに、今までの持ち物を一つ手放すといったルールを決めておくことをお勧めします。
このようなサイクルを作ることによって必要なものだけに囲まれた、充実した生活を送ることができます。断捨離による生前整理とは、その後の生活の中で続けていく必要があります。
中年になったら生前整理を考えよう
生前整理を行うのは、何も高齢の方に限ったことではありません。近年増加している中年以降のいわゆる「おひとり様」もぜひ生前整理を行って頂きたいと思います。
結婚しない、またはしていたけれども離婚または死別し、子どももいないとなると、兄弟や甥姪など配偶者や子供に比べると遠い関係の親戚に死後の整理をしてもらうことになります。
もちろん相続もそれらの人たちが行うでしょうが、同時に遺品整理という手間のかかる作業もしてもらわなければなりません。
その時に生前整理により財産の分配や葬儀の方法やお墓のこと、残された遺品の処分方法などについて細かにされたエンディングノートがあれば、残された遺族が戸惑うことが少なくなります。
現に40代前半のおひとり様女性が、病気により一時心肺停止の状態になったことをきっかけに、回復後エンディングノートを作成し、断捨離により持ち物を減らし始めたという例もあります。このように生前整理は高齢の方だけの問題ではなく、比較的若い世代の方も行うべきことなのです。
また、配偶者がいるからと言って安心することもできません、夫婦のどちらかに家のことを任せきりにしている家庭もあると思います。そのような家庭の夫婦の一方に万が一のことがあれば、残された配偶者は公共料金がどの口座から引き落とされているかということすらわからないといった状態になってしまうケースもあります。
学齢期の子どもがいても、子どものクラスすらわからないということもあるかもしれません。そのような場合に備えて、夫婦で情報を共有しておくことも重要です。しかし、さらにエンディングノートという文書の記録があれば、万が一の手続きもスムーズに進むでしょう。
最後に
ここまで生前整理について解説してきました。生前整理の一番の目的は残された遺族の遺品整理や様々な手続きの手間を極力省くためのものであると言えます。ですので、まだ先の事とは考えずに、なるべく早い段階で生前整理を始めることをお勧めします。